学ぶ|分野 2/6
02ネイルの歴史と技術体系
マニキュア・ペディキュアの語源
「マニキュア」は、爪にネイルエナメルを塗ることや、ネイルの手入れそのものを指す言葉です。語源はラテン語で、手を意味する「マヌス(manus)」と、手入れを意味する「キュア(cure)」を組み合わせたもので、本来は爪だけでなく“手全体の手入れ”を意味します。
同じように、足の手入れを指す「ペディキュア」は、足を意味する「ペディス(pedis)」と「キュア」からできた言葉です。マヌス=手/ペディス=足の対で覚えましょう。
世界のネイルの歴史(古代〜アジア)
爪を彩る歴史はとても古く、古代エジプト(紀元前3000年以前)に始まったとされます。当時はヘナ(植物)の汁で爪を染めており、はじめは呪術的な意味合いが強いものでした。エジプトでは赤が太陽・血・神聖さを表す色として好まれ、爪の色が身分を表し、王や王妃は濃い赤、その他の者は薄い色しか許されなかったと言われます。防腐剤である朱(水銀朱)はミイラにも使われました。
その後、美容の文化はギリシャ・ローマ時代へ伝わります。ギリシャでは人工的な美よりも健康的な美を理想とし、身だしなみとしての手入れが広まりました。中世・ルネッサンス期には舞台芸術が発達し、役を表現する化粧とともに指先の演出も生まれました。
アジアでは、中国で古くから「爪染め」が行われ、爪の長さや装飾が身分・階級を表すものになりました。皇族は金や銀を爪に塗り、長い爪は手仕事をしない高貴な身分の証とされました。中国では18世紀にはすでに付け爪(義甲)や、長い爪を保護する装飾具が使われていました。
日本のネイルの歴史
日本でも古くから爪を染める文化がありました。飛鳥・奈良時代には、酸化鉄を主成分とする紅殻(べんがら)で指先を赤く染めていたとされます。
平安時代には、ホウセンカ(鳳仙花)の花や葉で爪を赤く染める爪紅(つまべに)が行われました。遊女を通じて化粧の文化が庶民にも広がったといわれます。
江戸時代には、中国から伝わった紅花(べにばな)を使った染色が盛んになり、爪に塗る「爪紅」、唇に塗る「口紅」として親しまれました。
明治時代になると西洋文化が入り、フランス由来の磨爪術(まそうじゅつ)が伝わります。第二次世界大戦後から1960年代後半にかけてカラーポリッシュが広まり、日本のネイルが普及していきました。
近代・現代のネイル史
近代(19世紀)になると、欧米でマニキュアリストという職業が登場します。爪磨き粉や蜜蝋・油を研磨剤に使い、セーム革で磨いてナチュラルで透けるようなピンクの爪に整えました。ネイルの道具(マニキュア箱)も売られ始めますが、まだ庶民には高価なものでした。
20世紀に入ると、爪に塗るニスが登場します。1923年、自動車の塗装用に開発された速乾性のラッカーをもとにネイルラッカーが生まれ、1932年には、その副産物として現在も使われるカラーポリッシュが誕生しました。
1970年代のアメリカでは、ハリウッドの特殊メークで使われた歯科材料のレジン(樹脂)を応用して人工爪が作られ、スカルプチュアネイルやネイルエクステンション(長さ出し)が広まって現在に至ります。

ネイルの技術体系
ネイルの技術(ハンド)は、大きく次の4つに分類されます。
・ネイルケア…テーブルセッティング、カウンセリング、ファイリング、クリーンナップ(甘皮処理)、カラーリングなど、自爪を整える基本の施術。
・イクステンション…スカルプチュアネイルやチップ&オーバーレイなど、爪を長く作り出す技術。
・リペア…ラップ、グルーオン、フィルインなど、傷んだ爪を補修・補強する技術。
・アート…フラットアート(平面)や3Dアート(立体)など、爪を装飾する技術。

フリーエッジ(爪先)の形
ファイリングで整える爪先の代表的な形です。
・スクエア…先端も側面もまっすぐな形。
・スクエアオフ…スクエアの角(コーナー)に少し丸みをつけた形。
・ラウンド…先端が円の一部のようなカーブで、側面とのつなぎに角がない形。
・オーバル、ポイント…より丸み・とがりを強くした形。

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