05衛生と消毒・用具

衛生管理の基本

お客様に安全なネイルサービスを行うため、施設・技術者・器具の衛生管理が欠かせません。とくに次の点が大切です。

・皮膚に接する器具や布類(タオル等)は、お客様1人ごとに取り換える
消毒済みのものと未消毒のものを区別して、清潔に保管する。
・技術者は清潔な外衣を着用し、手指の洗浄・消毒を適切に行う。
・施設は毎日清掃し、照明・換気・温度・湿度を適切に保つ。

消毒に関する5つの用語

まぎらわしい5つの用語を、意味の違いで整理しましょう。

洗浄…消毒や滅菌の前に行う、最も基本的な衛生措置。汚れや微生物を洗い落とす。
消毒主に病原微生物を殺すか除去する。
滅菌…病原微生物だけでなくあらゆる微生物を除去し、存在しない状態にする(最も強い)。
殺菌…微生物を殺すこと。
防腐…微生物を殺さないまでも、その繁殖や作用を止めて腐敗を防ぐ

なお、消毒の対象によって呼び分けることがあります。器具や環境など非生体に対する消毒をディスインフェクタント(disinfectant)、手指や皮膚など生体に対する消毒をアンティセプティック(antiseptic)といいます。

① 洗浄

汚れを洗い落とす

  • 消毒や滅菌の前に行う、最も基本的な衛生措置
  • 汚れが残ったままでは消毒の効果が十分に得られない
② 消毒

病原微生物を殺す・除去

  • 主として病原微生物を殺すか除去し、感染力をなくす
  • 皮膚や粘膜に接する器具・環境・手指などに行う
③ 滅菌

あらゆる微生物を除去
(最も強い)

  • 病原微生物だけでなくあらゆる微生物を殺すか除去する
  • 微生物が存在しない状態にする
殺菌・防腐

まぎらわしい2語

  • 殺菌…微生物を殺すこと
  • 防腐…微生物を殺さないまでも、繁殖や作用を止めて腐敗を防ぐ

物理的消毒法

熱や紫外線などを使う消毒法です。耐熱・耐水性の器具は、できるだけ熱消毒するのが基本です。時間の数字が問われます

煮沸消毒

2分間以上

  • 沸騰した熱湯で煮沸する
蒸気消毒

10分間以上

  • 蒸気消毒器(蒸し器)等で湿熱をあてる
紫外線消毒

20分間以上

  • 85μW/cm²以上の短波長紫外線(UVC)を照射
  • 影になる部分は消毒できないので器具の向きに注意
化学的消毒法

消毒剤を用いる方法

  • 消毒用エタノール(76.9〜81.4%)・次亜塩素酸ナトリウム・逆性石けん 等
  • 浸漬(消毒液に浸す)と清拭(含ませて拭き取る)がある

化学的消毒法と主な消毒剤

消毒剤(薬品)を使う方法で、消毒液に浸す浸漬(しんせき)消毒と、消毒剤を含ませて拭く清拭(せいしき)消毒があります。3級で押さえる主な消毒剤は次の3つです。

消毒剤主な対象濃度・使い方注意
消毒用エタノール金属器具(ニッパー・プッシャー等)・ウェットステリライザー76.9〜81.4%(希釈せず使用)。10分以上浸すか、含ませて拭く火気厳禁。B・C型肝炎ウイルスには効果が弱い
次亜塩素酸ナトリウム(ハイター等)タオル・ガーゼなどの布類0.01〜0.1%に10分以上→水洗・乾燥漂白作用があり金属を腐食する
逆性石けん(オスバン等)金属・プラスチック器具・ネイルブラシ0.1〜0.2%に10分以上→水洗・乾燥石けんが混じると効果が低下。すすぎを十分に

消毒の手順とそのほかの消毒剤

金属器具の消毒は、洗浄 → 消毒 → 乾燥 → 保管の順で行います。まず流水と洗剤で汚れを洗い流し(洗浄)、消毒用エタノールに10分以上浸し(消毒)、よく乾かして(乾燥)、清潔に保管します。

手指の消毒では、消毒剤をコットンやガーゼに含ませ、指の全表面・指間・爪先まで拭く方法を擦式清拭消毒(さっしきせいしきしょうどく)といいます。

化学的消毒剤には、前に挙げた3つのほかにグルコン酸クロルヘキシジン(ヒビテン・0.05%)両性界面活性剤(エルエイジー・0.1〜0.2%)もあります。逆性石けんの有効成分は塩化ベンザルコニウムです。なお消毒用エタノールは、無水エタノールと違い薄めずそのまま使います

消毒の使い分け(対象別)

対象によって適した消毒剤が異なります。何に何を使うかを押さえましょう。

金属器具(ニッパー等)…消毒用エタノール・逆性石けん。次亜塩素酸ナトリウムは金属を腐食させるので不向き
タオル・ガーゼなどの布類…次亜塩素酸ナトリウム。
手指・皮膚…消毒用エタノール・逆性石けん。
B・C型肝炎ウイルス次亜塩素酸ナトリウムが有効(消毒用エタノールは効果が弱い)。

ウェットステリライザーと消毒剤の注意

ウェットステリライザーは、ガラスなどの容器にコットンやガーゼを敷き、消毒用エタノールを入れて、皮膚に接する器具を消毒・管理する用具です。メタルプッシャー・キューティクルニッパー・ウッドスティックなど、その施術で使う器具一式を入れます。エタノールは器具の先が浸かる程度の少量にし、刃物は刃先を下にして安全に入れます。

消毒剤を扱うときの注意です。
・同じ消毒剤でも濃度の違う商品があるため、元の濃度を確認して希釈する(消毒用エタノールは希釈せず使う)。
作り置きをせず、毎日取り換える

ウェットステリライザーの図。ガラス容器にコットンを敷き消毒用エタノールを少量入れ、キューティクルニッパー・メタルプッシャー・ウッドスティックの先端を下にして浸ける
ウェットステリライザー
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