03ジェル検定初級の要項

試験の構成と合格基準

JNAジェルネイル技能検定試験は、NPO法人日本ネイリスト協会(JNA)が主催する、ジェルネイルに特化した資格試験です。初級・中級・上級の3段階があります。ネイリスト技能検定(JNEC主催)とは主催団体が異なります

受験資格試験
初級義務教育を修了している方であれば、どなたでも受験できる筆記試験・実技試験
中級初級合格者のみ筆記試験・実技試験
上級中級合格者のみ実技試験のみ

ここは取り違えやすいところです。

ネイリスト技能検定(JNEC)は実技が50点満点で38点以上、筆記が100点満点で80点以上でした。ジェル検定は実技も100点満点である点が大きな違いです。

初級の筆記試験

筆記試験は30分・マークシート方式です。出題範囲は公式に次のとおり示されています。

区分範囲
ネイルに関する
基礎知識
衛生と消毒爪の構造(皮膚科学)爪の病気とトラブル(爪の生理解剖学)ネイルケア・ジェルネイルの手順
ジェルネイルに
関する基礎知識
光重合、ジェルの成分、未硬化ジェル、ハードジェルとソークオフジェルの違い、主なジェル商品など

注目したいのは、前半4分野がネイリスト技能検定3級とほぼ同じである点です。この教科書の該当する章がそのまま使えます。追加で必要になるのはジェルネイルに関する基礎知識と、ジェルネイルの手順だけです。

筆記用具にも規定があります。鉛筆またはシャープペンシル(HBまたはB)と消しゴムを持参します。ボールペン(消せるボールペンを含む)やサインペンは使用できません

初級の実技試験

初級の実技は事前審査と2つの課題で構成されます。時間配分は次のとおりです。

区分時間内容
事前審査10分テーブルセッティング(消毒管理、ジェルネイル用品、ライトの電源確認を含む)、モデルの爪またはJNEC認定モデルハンドの状態、指定商品申請用紙の確認・提出
第1課題30分両手10本のネイルケア(手指消毒、ファイリング、キューティクルクリーンまで)
インターバル10分第1課題の片付け、第2課題の準備
第2課題60分左手5本:ポリッシュカラーリング(赤)
右手5本:ジェルカラーリング(赤)
右手中指:ジェルアート(赤に映えるピーコック

初級には免除制度があります。ネイリスト技能検定試験(JNEC主催)の3級以上、またはJNAネイリスト技能検定国際試験3級以上を取得していれば、実技試験の第1課題(ネイルケア)が免除されます。

つまり3級を持っている方は、第2課題(ジェルカラーリングとジェルアート)だけで受験できます。ネイルケアは3級で証明済みという扱いです。

モデルの条件は15歳以上で、ネイリスト技能検定と同じです。また第1課題と第2課題で、モデルとJNEC認定モデルハンドの別々の選択はできません

※試験要項は改訂されることがあります。受験の際は必ずJNA公式サイトで最新の要項をご確認ください。

第1課題(ネイルケア)の規定

第1課題は両手10本のネイルケアです。要項に細かい規定があり、そのまま守れているかが見られます。

ここはセッティングしただけで失格になります。持ち込みの段階から注意が必要です。

ストーンプッシャー/セラミックプッシャー/ネイルマシーン/シャーミー(革製)バッファ/グリセリン/オイル、その他規定外の用具・用材。

オイルやグリセリンが禁止なのは、このあとの第2課題でジェルを密着させるためです。油分が残るとリフティングの原因になります。なお要項には、第1課題はネイルケアの技術を確認するものであり、第2課題であるジェルネイルの前工程を表すものではないと明記されています。

テーブルセッティングの規定

事前審査で最初に見られるのがテーブルセッティングです。規定どおりでないセッティングは失格になるため、当日その場で考えるのではなく、事前に作り込んでおく必要があります。

第1課題を受験する方は、事前審査が終わったあとに、第2課題だけで使う用具・用材をいったん片付けてもかまいません。またライトはアームレストとして使ってもかまいません

材質の指定があります。消毒できるかどうかが基準です。

対象規定
トレイ・フィンガーボール
その他の容器
プラスチックや金属製など消毒可能なものを使う。木・紙・布製は使用禁止底面が網目状のトレイは使用しない
ネイル専用ブラシトレイなどにセットする(テーブルに直置きしない
ジェルの撹拌に使うものスパチュラ等のプラスチックや金属製で消毒可能なものを使う。つまようじ・竹串・マドラー等は使用禁止
コットン類蓋付き容器に入れる
ライト底に反射板がない場合は、手が直接机に触れないよう下にタオルやペーパータオルを敷く
JNEC認定
モデルハンド
直置きしない

木・紙・布が禁止なのは消毒できないからです。つまようじや竹串が禁止なのも同じ理由で、「消毒できる材質か」で判断すれば迷いません

テーブルセッティングの材質の可否。使えるのはプラスチックや金属製のトレイ・容器、スパチュラ、蓋付き容器。使えないのは木製紙製布製の容器、底面が網目状のトレイ、つまようじや竹串やマドラー
テーブルセッティングの材質

材質の規定はたくさんありますが、判断の基準は「これは消毒できるか」のひとつだけです。

木・紙・布が禁止なのも、つまようじ・竹串・マドラーが禁止なのも、理由は同じで消毒できないからです。個別に丸暗記するより、この基準で考えたほうが確実です。

例外的に材質と関係ないのが底面が網目状のトレイです。プラスチックや金属でも網目状は使えません。ここだけは別に覚えます。

内容物が分かるよう、用具・用材に品名ラベルを貼ります。書き方に決まりがあります。

ラベルを貼るのは、たとえば次のものです。ウェットステリライザー/コットン類/消毒剤/ポリッシュリムーバー/液体ソープ/キューティクルクリームまたはキューティクルリムーバー/ベースコート/カラーポリッシュ/トップコート/プレプライマー/プライマー/ベースジェル/カラージェル/トップジェル/クレンザーなど、自分が使うものです。

※テーブルセッティングの配置図や指定商品リストは要項に掲載されています。受験の際は必ずJNA公式サイトで最新の要項をご確認ください。

第2課題の規定

第2課題は手指消毒から始めます。第1課題に続けて行いますが、あらためて消毒するところがスタートです。

ジェルカラーリングの赤色に映えるジェルアート(ピーコック)を施します。

ピーコックの描き方の4工程。赤のカラーを塗り、白と金のラインを横に並べ、ニードルを上下交互に等間隔で引くと、ジグザグの帯が横に連なる模様になる
ピーコックの描き方

ピーコック(peacock=孔雀)は、孔雀の羽根に見立てた模様です。作り方は次の3段階です。

  1. カラージェルを塗って硬化させる
  2. その上に別の色のラインを横に何本か並べて引く(未硬化のまま)
  3. ニードルを上下交互に、等間隔で通す

ラインが引っぱられてジグザグの帯が横に連なる模様になります。ニードルを一方向にだけ引くと縞が流れるだけで、上下交互に引くことではじめて羽根の形が生まれます

要項では「ジェルカラーリングの赤に映えるジェルアート」と定められています。赤の上に置く色は、赤が引き立つものを選びます。アートの図案を持ち込むことは失格対象なので、手順を体で覚えておく必要があります。右手中指は、ジェルカラーリングの5本にも数えられます。

まとめると、10本の内訳はこうなります。

ジェル検定初級 第2課題の10本の内訳。左手5本はポリッシュカラーリング(赤)、右手5本はジェルカラーリング(赤)、右手中指のみジェルアート(ピーコック)を施す。どちらも赤で見た目は同じ
初級 第2課題:10本の内訳
施術
左手5本すべてポリッシュカラーリング(赤)
右手中指以外の4本ジェルカラーリング(赤)
右手中指ジェルカラーリング(赤)+ジェルアート(ピーコック)

覚え方は「左はポリッシュ、右はジェル、右の中指だけアート」です。

失格対象と減点対象

要項には失格対象減点対象が一覧で示されています。失格はその時点で不合格になるため、まずこちらから確実に押さえましょう。

ジェル検定初級の失格と減点の一覧。失格は遅刻・タイムオーバー・用具忘れ・未硬化ジェルを拭き取っていない・手指を間違えた等、減点はセッティングの不備・品名ラベル・ブラシダウンを行わない等
ジェル検定 初級:失格と減点

左が失格、右が減点です。失格はその時点で不合格になるので、まず左から確実に覚えます。減点は積み重なって合格点を割ると不合格になります。

分類すると覚えやすくなります。失格は「試験が成立しないこと」——遅刻・時間内に終わらない・用具がない・課題の仕上がりが要件を満たさない。減点は「やり方が雑なこと」——セッティングの不備・手順の抜け・態度。この線引きで考えると、どちらか迷ったときに判断できます。

区分内容
入場・進行遅刻(入場時間内に指定会場へ入場していない)/カンニング等の不正行為・禁止行為/試験官の指示に従わないタイムオーバー(時間内にすべて終了しなかった)
爪に触れる実技試験の前後にモデルの爪・認定モデルハンドに手を加えた(受験生・モデルとも)/インターバル中に手を加えた
用具用具・用材を忘れた/事前審査開始後に貸し借りをした(消毒剤を準備していない、用具・消毒剤を入れたウェットステリライザーを用意していない、試験官の許可を得ず黙って出し入れした場合を含む)/使用を禁止している用具・用材をセッティングした/規定通りでないセッティングをした
仕上がり仕上げの未硬化ジェルを拭き取っていないノンワイプジェルを拭き取っていない場合を含む)/手指を間違えた
損傷手指への出血を伴う損傷(受験生・モデルとも)、または認定モデルハンドに著しいダメージを与えた
事前準備事前に赤ポリッシュをモデルの爪・認定モデルハンドに塗布していた
第1課題両手10本すべての指にプッシュバック・アップを全く行っていない、またはキューティクルニッパーを使用していない/第1課題の時間内に第2課題の内容を行った
その他モデルが受験生にアドバイスや手助けを行ったネイルアートの図案などを持ち込んだ(受験生自身の爪に試験と同じアートを施している場合を含む)

とくに落としやすいのが未硬化ジェルの拭き取りです。減点ではなく失格で、しかも拭き取り不要のノンワイプ商品でも拭き取らなければ失格になります。

もう1つが用具忘れです。借りることもできず、その場で失格になります。指定商品申請用紙を記入する筆記用具も忘れないようにしましょう(こちらは減点対象です)。

品名ラベルがアルファベット表記だと減点という細かい規定があります。内容物が誰にでも分かるよう日本語で表記します。

※ここでは初級に該当するものを中心に整理しています。要項は改訂されるため、受験の際は必ずJNA公式サイトで最新の内容をご確認ください。

広告枠(末尾)

ジェル検定初級の要項 小テスト(初級)

この章の内容を含む小テストです。毎回ランダムに出題されます。

小テストに挑戦する

ジェル検定初級の要項 小テスト(中級)

この章の内容を含む小テストです。毎回ランダムに出題されます。

小テストに挑戦する
< 前の分野ネイルのための生理解剖学 次の分野 >ネイルの技術体系