教科書|分野 3/25
03ジェル検定初級の要項
試験の構成と合格基準
JNAジェルネイル技能検定試験は、NPO法人日本ネイリスト協会(JNA)が主催する、ジェルネイルに特化した資格試験です。初級・中級・上級の3段階があります。ネイリスト技能検定(JNEC主催)とは主催団体が異なります。
| 級 | 受験資格 | 試験 |
|---|---|---|
| 初級 | 義務教育を修了している方であれば、どなたでも受験できる | 筆記試験・実技試験 |
| 中級 | 初級合格者のみ | 筆記試験・実技試験 |
| 上級 | 中級合格者のみ | 実技試験のみ |
合格基準はネイリスト検定と違う
ここは取り違えやすいところです。
- 初級…筆記・実技ともに100点満点で80点以上
- 中級…筆記は100点満点で80点以上、実技は100点満点で70点以上
ネイリスト技能検定(JNEC)は実技が50点満点で38点以上、筆記が100点満点で80点以上でした。ジェル検定は実技も100点満点である点が大きな違いです。
初級の筆記試験
筆記試験は30分・マークシート方式です。出題範囲は公式に次のとおり示されています。
| 区分 | 範囲 |
|---|---|
| ネイルに関する 基礎知識 | 衛生と消毒/爪の構造(皮膚科学)/爪の病気とトラブル(爪の生理解剖学)/ネイルケア・ジェルネイルの手順 |
| ジェルネイルに 関する基礎知識 | 光重合、ジェルの成分、未硬化ジェル、ハードジェルとソークオフジェルの違い、主なジェル商品など |
注目したいのは、前半4分野がネイリスト技能検定3級とほぼ同じである点です。この教科書の該当する章がそのまま使えます。追加で必要になるのはジェルネイルに関する基礎知識と、ジェルネイルの手順だけです。
筆記用具にも規定があります。鉛筆またはシャープペンシル(HBまたはB)と消しゴムを持参します。ボールペン(消せるボールペンを含む)やサインペンは使用できません。
初級の実技試験
初級の実技は事前審査と2つの課題で構成されます。時間配分は次のとおりです。
| 区分 | 時間 | 内容 |
|---|---|---|
| 事前審査 | 10分 | テーブルセッティング(消毒管理、ジェルネイル用品、ライトの電源確認を含む)、モデルの爪またはJNEC認定モデルハンドの状態、指定商品申請用紙の確認・提出 |
| 第1課題 | 30分 | 両手10本のネイルケア(手指消毒、ファイリング、キューティクルクリーンまで) |
| インターバル | 10分 | 第1課題の片付け、第2課題の準備 |
| 第2課題 | 60分 | 左手5本:ポリッシュカラーリング(赤) 右手5本:ジェルカラーリング(赤) 右手中指:ジェルアート(赤に映えるピーコック) |
第1課題の免除制度
初級には免除制度があります。ネイリスト技能検定試験(JNEC主催)の3級以上、またはJNAネイリスト技能検定国際試験3級以上を取得していれば、実技試験の第1課題(ネイルケア)が免除されます。
つまり3級を持っている方は、第2課題(ジェルカラーリングとジェルアート)だけで受験できます。ネイルケアは3級で証明済みという扱いです。
モデルの条件は15歳以上で、ネイリスト技能検定と同じです。また第1課題と第2課題で、モデルとJNEC認定モデルハンドの別々の選択はできません。
※試験要項は改訂されることがあります。受験の際は必ずJNA公式サイトで最新の要項をご確認ください。
第1課題(ネイルケア)の規定
第1課題は両手10本のネイルケアです。要項に細かい規定があり、そのまま守れているかが見られます。
- 手指消毒は指先、指間にいたるまで擦式清拭する
- カットスタイルはラウンド
- フリーエッジの仕上がりは長い場合でも5mm以下(10本のバランスを整える)
- ファイリングはエメリーボードを使用する
- キューティクルリムーバーまたはキューティクルクリームを使用する
- 両手10本すべての指にキューティクルニッパーを必ず使用する
- ウォーターネイルケア(フィンガーボールを必ず使用)を行う。ドライネイルケアは禁止
第1課題で使ってはいけない用具・用材
ここはセッティングしただけで失格になります。持ち込みの段階から注意が必要です。
ストーンプッシャー/セラミックプッシャー/ネイルマシーン/シャーミー(革製)バッファ/グリセリン/オイル、その他規定外の用具・用材。
オイルやグリセリンが禁止なのは、このあとの第2課題でジェルを密着させるためです。油分が残るとリフティングの原因になります。なお要項には、第1課題はネイルケアの技術を確認するものであり、第2課題であるジェルネイルの前工程を表すものではないと明記されています。
テーブルセッティングの規定
事前審査で最初に見られるのがテーブルセッティングです。規定どおりでないセッティングは失格になるため、当日その場で考えるのではなく、事前に作り込んでおく必要があります。
何をセットするか
- 第1課題を受験する方は、事前審査の時点で第1課題と第2課題で使用するすべての用具・用材(ライト・JNEC認定モデルハンドを含む)をセットする
- 第1課題免除者は、実技試験で使用するすべての用具・用材をセットする
- 全級・全受験パターンで、用具・消毒剤を入れたウェットステリライザーを必ず用意する
- 使用を禁止する用具・用材は机の上に出さない(出した時点で失格)
第1課題を受験する方は、事前審査が終わったあとに、第2課題だけで使う用具・用材をいったん片付けてもかまいません。またライトはアームレストとして使ってもかまいません。
衛生面の規定
材質の指定があります。消毒できるかどうかが基準です。
| 対象 | 規定 |
|---|---|
| トレイ・フィンガーボール その他の容器 | プラスチックや金属製など消毒可能なものを使う。木・紙・布製は使用禁止。底面が網目状のトレイは使用しない |
| ネイル専用ブラシ | トレイなどにセットする(テーブルに直置きしない) |
| ジェルの撹拌に使うもの | スパチュラ等のプラスチックや金属製で消毒可能なものを使う。つまようじ・竹串・マドラー等は使用禁止 |
| コットン類 | 蓋付き容器に入れる |
| ライト | 底に反射板がない場合は、手が直接机に触れないよう下にタオルやペーパータオルを敷く |
| JNEC認定 モデルハンド | 直置きしない |
木・紙・布が禁止なのは消毒できないからです。つまようじや竹串が禁止なのも同じ理由で、「消毒できる材質か」で判断すれば迷いません。

覚えるのは1つの基準だけ
材質の規定はたくさんありますが、判断の基準は「これは消毒できるか」のひとつだけです。
木・紙・布が禁止なのも、つまようじ・竹串・マドラーが禁止なのも、理由は同じで消毒できないからです。個別に丸暗記するより、この基準で考えたほうが確実です。
例外的に材質と関係ないのが底面が網目状のトレイです。プラスチックや金属でも網目状は使えません。ここだけは別に覚えます。
品名ラベル
内容物が分かるよう、用具・用材に品名ラベルを貼ります。書き方に決まりがあります。
- 表記は商品名ではなく、要項のリストの表記にする
- 容器にあらかじめ商品名がついていても別に貼る
- アルファベット表記は禁止(減点対象)
- ラベルは商品の成分表示と重ならないように、見やすい位置に貼る
- 同一商品を複数の用途で兼用する場合は、1つの商品に品名ラベルを複数貼れば、商品を2つ用意しなくてよい
ラベルを貼るのは、たとえば次のものです。ウェットステリライザー/コットン類/消毒剤/ポリッシュリムーバー/液体ソープ/キューティクルクリームまたはキューティクルリムーバー/ベースコート/カラーポリッシュ/トップコート/プレプライマー/プライマー/ベースジェル/カラージェル/トップジェル/クレンザーなど、自分が使うものです。
※テーブルセッティングの配置図や指定商品リストは要項に掲載されています。受験の際は必ずJNA公式サイトで最新の要項をご確認ください。
第2課題の規定
第2課題は手指消毒から始めます。第1課題に続けて行いますが、あらためて消毒するところがスタートです。
左手5本:ポリッシュカラーリング(赤)
- ベースコート → カラーポリッシュ(2度塗り)→ トップコートまで仕上げる
- カラーポリッシュは赤(パール・メタリック入りは不可)
- エッジも塗布する
- 裏面もカラーリングする(エッジのみでも可)
- リッジフィラーの使用は可。カラーポリッシュの商品は指定されない
右手5本:ジェルカラーリング(赤)
- サンディングは第2課題の時間内に行う。サンディング不要の商品でもサンディングを行う
- ベースジェル → カラージェル(2度塗り)→ トップジェルまで仕上げる
右手中指:ジェルアート(ピーコック)
ジェルカラーリングの赤色に映えるジェルアート(ピーコック)を施します。

ピーコックとは
ピーコック(peacock=孔雀)は、孔雀の羽根に見立てた模様です。作り方は次の3段階です。
- カラージェルを塗って硬化させる
- その上に別の色のラインを横に何本か並べて引く(未硬化のまま)
- ニードルを上下交互に、等間隔で通す
ラインが引っぱられてジグザグの帯が横に連なる模様になります。ニードルを一方向にだけ引くと縞が流れるだけで、上下交互に引くことではじめて羽根の形が生まれます。
要項では「ジェルカラーリングの赤に映えるジェルアート」と定められています。赤の上に置く色は、赤が引き立つものを選びます。アートの図案を持ち込むことは失格対象なので、手順を体で覚えておく必要があります。右手中指は、ジェルカラーリングの5本にも数えられます。
まとめると、10本の内訳はこうなります。

| 手 | 指 | 施術 |
|---|---|---|
| 左手 | 5本すべて | ポリッシュカラーリング(赤) |
| 右手 | 中指以外の4本 | ジェルカラーリング(赤) |
| 右手 | 中指 | ジェルカラーリング(赤)+ジェルアート(ピーコック) |
覚え方は「左はポリッシュ、右はジェル、右の中指だけアート」です。
失格対象と減点対象
要項には失格対象と減点対象が一覧で示されています。失格はその時点で不合格になるため、まずこちらから確実に押さえましょう。

図の見方
左が失格、右が減点です。失格はその時点で不合格になるので、まず左から確実に覚えます。減点は積み重なって合格点を割ると不合格になります。
分類すると覚えやすくなります。失格は「試験が成立しないこと」——遅刻・時間内に終わらない・用具がない・課題の仕上がりが要件を満たさない。減点は「やり方が雑なこと」——セッティングの不備・手順の抜け・態度。この線引きで考えると、どちらか迷ったときに判断できます。
失格になるもの
| 区分 | 内容 |
|---|---|
| 入場・進行 | 遅刻(入場時間内に指定会場へ入場していない)/カンニング等の不正行為・禁止行為/試験官の指示に従わない/タイムオーバー(時間内にすべて終了しなかった) |
| 爪に触れる | 実技試験の前後にモデルの爪・認定モデルハンドに手を加えた(受験生・モデルとも)/インターバル中に手を加えた |
| 用具 | 用具・用材を忘れた/事前審査開始後に貸し借りをした(消毒剤を準備していない、用具・消毒剤を入れたウェットステリライザーを用意していない、試験官の許可を得ず黙って出し入れした場合を含む)/使用を禁止している用具・用材をセッティングした/規定通りでないセッティングをした |
| 仕上がり | 仕上げの未硬化ジェルを拭き取っていない(ノンワイプジェルを拭き取っていない場合を含む)/手指を間違えた |
| 損傷 | 手指への出血を伴う損傷(受験生・モデルとも)、または認定モデルハンドに著しいダメージを与えた |
| 事前準備 | 事前に赤ポリッシュをモデルの爪・認定モデルハンドに塗布していた |
| 第1課題 | 両手10本すべての指にプッシュバック・アップを全く行っていない、またはキューティクルニッパーを使用していない/第1課題の時間内に第2課題の内容を行った |
| その他 | モデルが受験生にアドバイスや手助けを行った/ネイルアートの図案などを持ち込んだ(受験生自身の爪に試験と同じアートを施している場合を含む) |
とくに落としやすいのが未硬化ジェルの拭き取りです。減点ではなく失格で、しかも拭き取り不要のノンワイプ商品でも拭き取らなければ失格になります。
もう1つが用具忘れです。借りることもできず、その場で失格になります。指定商品申請用紙を記入する筆記用具も忘れないようにしましょう(こちらは減点対象です)。
減点になるもの
- 用具・用材が整理整頓されていない/テーブルセッティングに不備がある
- 衛生面における配慮がされていない/消毒が不適切(手指・用具)
- 品名ラベルを貼っていない、またはアルファベット表記
- 私語が多い、マナーが悪い(受験生・モデルとも)/ゴミを持ち帰らない
- 手指へのダメージ(ファイルで赤みを帯びる等)を与えた
- 第1課題でモデルの爪が明らかに事前手入れされている
- 第2課題でカットスタイルがラウンドに仕上がっていない
- 第2課題を手指消毒から行わない/第2課題で第1課題と同じ工程を繰り返した
- 第1課題でナチュラルネイルにウォッシャブルファイルを使用した
- 第1課題でブラシダウンを行わない
- 受験票・筆記用具を忘れた/受験票に写真が貼付されていない、証明写真でない
品名ラベルがアルファベット表記だと減点という細かい規定があります。内容物が誰にでも分かるよう日本語で表記します。
※ここでは初級に該当するものを中心に整理しています。要項は改訂されるため、受験の際は必ずJNA公式サイトで最新の内容をご確認ください。
ジェル検定初級の要項 小テスト(初級)
この章の内容を含む小テストです。毎回ランダムに出題されます。
小テストに挑戦するジェル検定初級の要項 小テスト(中級)
この章の内容を含む小テストです。毎回ランダムに出題されます。
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